2019年1月22日、ついに中国当局が「事実」を認める発表をされました。
その事実とは、中国のある研究者がゲノム編集で双子を誕生させたと主張され、世界の人々を驚かせている問題についてです。
2018年11月28日に、香港で開催された第2回ヒトゲノム編集に関する国際サミットにて、南方科技大学(中国)の准教授である賀建奎氏が、ゲノム編集で遺伝子操作した双子を誕生させたと発表されました。
また、現在もゲノム編集を施した別の受精卵を移植した女性が妊娠されている可能性もあるという話をされております。
その後、世界的にも当然の事ながら物議を醸し、多くの批判が相次いだ事を受け、中国当局が本腰をいれて調査をされている状況でした。
賀建奎氏は、倫理審査の書類までも偽造していたという事も判明し、今後、更に国際的な大問題になっていくだろうと思います。
この研究において、せめてもの救いは夫婦の同意を得ていたという主張でしたが、それすらも覆される結果となってしまったという事です。
大変残念でなりませんし、今後、その双子の行く末が幸せである事を心から願います。
賀建奎氏について中国当局は、「名声と利益を得るための研究」という発表をされており、本当にこのニュースはあり得ないですね。
世界的にみてもあってはならない事だと、普通に考えれば分かる事だと思いますが、中国のしかも大学教授が一体何故、このような暴挙に走ってしまったのか不思議でなりませんね。
今回は、国際的な大問題を引き起こした賀建奎氏がおこなった、ゲノム編集について記事をまとめました。
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プロフィール
名前:賀建奎(He Jiankui)
読み:ガケンケイ/ハージエンクイ/フォージエンクイ
年齢:34歳
国籍:中華人民共和国
具体的な問題点とは?
賀建奎氏がおこなった遺伝子編集の技術は、別名「CRISPR(クリスパー)(Clustered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeats)」という名称であり、これは科学の世界では新しいものではありません。
遺伝物質を特定・削除・置換が出来るこの「CRISPR」という技術は、2012年に発表されて以来、「CRISPR」に関連する論文は5千件以上も存在すると言われております。
また、既にゲノム編集は一部の深刻な難病治療に役立てているという事実も存在します。
では、今回は一体何が問題だったのでしょうか?
それは、受精卵に対してゲノム編集をおこなったという事実でした。この事については多くの、いやほとんどの科学者が深刻に懸念をしているという状況が続いております。
このゲノム編集をおこなう事で、直接的に誕生する子供のみならず、その先の子孫にも影響が及んでいく可能性があります。
また、予期せぬ事態も巻き起こす可能性があり、癌の発生率が著しく上昇したり、突然変異の問題が発生するという懸念もあると言います。
中国自体も、体外受精による受精卵を使ったヒト胚研究に関しては、受精後14日以内の利用までと法律で決められている背景もありますので、これは法律違反であり、倫理的に大きな問題を引き起こした事になりますので、厳しく処罰されるだろうと思われます。
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過去、中国では事例が多数あり…
過去に中国では、2015年にも「CRISPR」と呼ばれる技術を用いて、世界初のヒト受精卵の遺伝子操作がおこなわれました。
もちろんこの当時も、国際的に物議を醸す結果となりました。
当時実験をおこなったのは黄軍就氏らでしたが、その際に使用したのは不妊治療の過程で体外受精された受精卵でした。
最終的に、その当時は研究成果としては上手くいかず、技術的な改善が必要だという結論となりました。
2016年にも世界で2例目のゲノム編集がおこなわれたのも中国でした。また、2017年にも世界初の正常なヒト受精卵へのゲノム編集がおこなわれたという事でした。
2016年以降に、中国だけで86人の遺伝子がこの「CRISPR」によって遺伝子操作されている事もあり、中国という国の倫理観について考えさせられます。
デザイナーベビーとは?
賀建奎氏がゲノム編集で誕生させた子供は、ゲノム編集により生まれながらにエイズウイルス(HIV)に対して免疫を持つ赤ちゃんという事になります。
世界初の「デザイナーベビー」という事になります。
こういった受精卵の段階で、遺伝子操作をおこない、両親が望む外見・体力・知力などを持たせた子供の事を総称して「デザイナーベビー」と呼ばれております。
今回、そのゲノム編集で生まれた赤ちゃんの名前は「露露(ルル)と娜娜(ナナ)」名付けられ、世界で初めての「デザイナーベビー」となりました。
子供を遺伝子操作して、親がデザインしていくという事ですので、この技術は否定する訳ではありませんが、今回の問題については疑問しか生まれません。
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